2016年5月21日土曜日

番外編 「新旧との宴(小説)」

とあるファミレスのある一角。そこでは辺りと一風違ったおかしな人間が居た。
その学生達は、この土田舎の雰囲気と合わないこのファミレスよりも雰囲気が合っていなかった。

「えぇっと、今回は[迅魂夢想のヴァンヴァウゼ]投稿開始を祝して、お集まり頂き、有り難う御座います、先ずは一人一人自己紹介を―――」
そういいかけた上條をぶん殴るかの様に、右から腕が伸びる。
「何うざってー事言ってんだよ!!パーっと行こうぜぇ?パーっとさぁ!!!」
そう行ったのも上條だった。えーっと要するに。

今回は投稿中の[迅魂夢想のヴァンヴァウゼ]と、連載終了した、というか。

元々作り終わっていた[迅魂夢想のヴァンヴァウゼ]の登場人物を集め、パーティーをする。
という形の集まりだ。そうして泣き目の上條と、メチャクチャハイテンションの上條が対立している。

ある意味すげぇシュール。

「こんなに可愛い女の子がいちゃあ、最早合コンって事で皆賛成?誰も挙げないって事はさんせ―――」

「黙れ上條。新作の方達が困ってるだろ。そういうバカ見たいな事はよせ」
そう言ったのは、そう。俺だ。いや、違くて、古い方の俺。
「ごめんな。なんか内の上條が煩くてなぁ……?許してやってくれよ、アイツはこれでもいいやつなんだ」
「あぁ、い、いや。俺も何時もはこんな感じ何で別にいいっすよ」
もう、上條泣いてるな。それもそうだ。さっきまでハイテンションだった向こうの上條が血塗れなんだから。殴り一発であそこまでって、昔の主人公は神か。

「おお、昔の白夜も格好いいな。まぁ、もうすでに私と白夜は結婚の約束をしてるし」
「ちょ、ちょっと!私も白夜君とは、そのぉ………キスとか………したもん!」
何かイレギュラー出てきたぁ!!!
この女の子達、何か違う!!俺にどんどん近づいてくるなんてぇ!!ちょ、ちょっと、白夜さん!!!

「これはこれでアリか………?」

何言ってんのこの人!!何遠目でコッチみてんの!!助けろって!!
「と、というか、アンタ達何なんですか?」

『白夜君の嫁』

怖ぇえええええええ!!!何言ってんの!!つか二人掛け持ちって白夜すげぇ!!!俺も白夜だけど!!
「いえいえ、私は白夜の飼い主ですから♪」
その二人を超越するイレギュラー出てきたぁ!!!最早飼い主のレベルだよ!!!何あの黒いオーラ!
「本当に此方の白夜には自虐心が擽られますねぇ。あぁ、熱い蝋を垂らしたいわぁ♪」
ひ、ひぇぇぇぇえええええええええ!!!!
すげぇ奥が見えない黒い目で此方を見てくる!!!こんな人達を相手にするって、白夜って何者なんだぁ!?
「正直言うとアイツは神だよ。僕は親友で良く見てるから分かる」
いやいや、そんなボロッボロの体で言われたら信頼性がハンパじゃ無いんですけど!!!

「僕はアイツを親友として見てるけど、本当の心はあんな憎たらしくてリア充なアイツを何時かボッコボコにしてやろうって思ってるんだ」
アンタら仲良いな!!!
つか親友を殺す対象として見てるってアンタらの関係って何だよ!!某先生並みかよ!!!益々怖くなってくる。
「お、おい!白夜。ここは逸早く切り抜けようぜ。今回はこの三人だけだからさ」
「! あぁ、賛成だ。何時までもここにいちゃぁ何時か喰い殺されちまう!!」
最早怖くなって逃げ出す事にした。駄目だ。昔の俺らは住んでる次元が違う。
だが、そうはさせない者も一人。
「ちょっとぉ?白夜君。私も居ますよ?全く。忘れて貰っちゃ困ります。第一来たばっかりじゃ無いですか」
今度は顔が知ってるイレギュラー出てきたぁあ!!!ありゃ止まらねぇや。もうどうにでもなれ。
「あら?昔の私はこんなにひょろっちい女の子だったんですか?まぁ、容姿は丸っきり一緒ですがねぇ」
「ううぅ………。ひょろっちくなんか無いもん!!!そもそも、貴方だって背が小さいじゃないですか!!」
「そりゃ作画の問題でしょう。たかがモブごときが作者にいちゃもん付けるんですか?それじゃいつの間にか新ヒロイン出てきて貴方なんかポイですね」
なんか壮絶な次元を越えた喧嘩始めちゃってるんですけど!!!もう止められねぇ!!!向こうの連花は泣いちゃってるし。

「ちょ、ちょっと。そちらの連花ちゃん?流石にそれは言い過ぎなんじゃ………」
「あら、貴女はいつの間にかヤンデレルート突入して勝手に告白するわ号泣するわで最早最初にあったクーデレ設定を丸々変更したツンデレ風情のヤンデレさんじゃ無いですか?」

「んのアマァ………!!!!」
なんか向こうブチギレなんですがっ!!!うわぁやべぇよ。一番ヤバい一人怒らせちゃったよ!
「アンタらの連花ちゃんって、此方とは全く違うよなぁ………」
と泣きかける古い上條と。
「やべぇよ。アイス怒らせたらやべぇよ………!!!俺ら皆殺しだよ………!!!」
と嵐の前の静けさを物語る顔面蒼白の古い方の白夜。

アンタらの登場人物メッチャ不安定だな!!

と心の中で思った。
「お、おい!!最早連花を置いていって俺達だけでも帰った方が良いんじゃ………!?」
「あぁ、そうだろうな。新しい方の俺よ。ここは俺達が食い止める!!先に行けぇ!!!」
『は、はい!!!』

そういって俺達は古い方の俺達の背中をすり抜け、思いっきりファミレスから出ていった。


《後日談》

「あぁ、彼のときは悪かったな。内のアイスがファミレス凍らしちゃってよ
「いえ、いいんですよ。悪いのはアイスさんを怒らせてしまった俺達のせいでも在りますし………」

壮絶だった。止めるのに三時間掛かったという。本当に悪い事をした。

「だけどよ、楽しかったぜ?久し振りにこんな日常を楽しめたしな」
「というか、あんな人達を纏めるって、古い方の俺って凄いんだなぁと思いましたよ?」
「んなこと言ったら、アイスを怒らせる連花を連れてるお前らも相当凄いと思うけどな?」

そういって二人の会話は弾みだした。そうして、皆の事。個人の事。古い方の俺達の事。
そんな事を話している間に日は沈みだした。思えば、短い間の会話だったのかもしれない。
だけど、面白かったって言うのは、変わりはない。

「ありがとな、結構楽しかったぜ。んじゃ、また次の時に」

「ええ、次はもうちょっと仲間を連れて来ますよ」

俺達はそこで別れ、主人公だけの二次会に幕を閉じた。
※今回の話はあくまで番外編なので、本編には影響しません。

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